File.2 右目の力

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「見てみい」 くい、と。藤十郎さんが顎を差し向けたので、入り口を見ると、 さっきまでは明るかった外の夕明かりが淀んで濁っている。 目を凝らせば、その淀みは複数の、――縛られた、霊。 〔あれは……〕 グルぅ、とクロが喉を鳴らす。 そうすると、一瞬でその景色はクリアなものとなった。
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