File.2 右目の力

17/111
前へ
/357ページ
次へ
僕なんかよりずっと頼りになる、クロ。 けれど、あの時一度きり話しただけ 猫を装ったままクロは何も言わない。 「追い返してもまた来よるであれは」 不安そうにしている藤十郎さんに、僕は〔クロを連れて帰りますか?〕と提案した。 「そやなぁ、さっきみたいに車に小細工されたら、梨花が心配やから。助かるわ」 車に、小細工―― 〔そんなことまでしてくるんですか〕 【お前だってやろうと思えば出来るぜ?】
/357ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3167人が本棚に入れています
本棚に追加