File.2 右目の力

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途端に脳裏にフラッシュバックする、無数の視線。 ――僕を化物のような目で、距離をおいて怯えた瞳。 心臓の鼓動が激しくなって、うっ、と僕はむせ返した。 肝試しなんて、危険なことを。 皆、どうしてやりたがるんだ。 どうして、自分達で尻拭いが出来ないくせに、行こうとするんだ。 どうして ――ただ、願っていただけの気持ちを――闇に落としてしまうんだ。
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