File.2 右目の力
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コトン、とテーブルに置かれた和菓子を見る。 ――思い出した嫌な過去が現実と交わって、やっと僕は忌々しい映像を薄めていく。 「お茶でいいよな」 「俺、コーラがいー」 「あんたほんま何もせんくせに図々しいなあ!」 梨花さんと恭平の話す声がやっと鮮明に聞こえて、 ――煩い二人の話し声が、不快じゃないことに驚いた。
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