File.2 右目の力

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今日の天気は晴れで、先程の忌々しい陰さえなければ、本当にいい一日だったのに。 まだ冷たい風が、開け放した入り口から太陽のにおいと一緒に清々しくはいりこんでくる。 車社会の田舎のせいか、道路を走る車がわりと多く、すこし騒がしい音が多少やっかいだ。 「なぁ」 最後のひときれを口に含んだ時、梨花さんが珍しく真面目な顔をして僕を見た 「嫌です」 「まだなんもゆうてへんやんか」
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