File.2 右目の力

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「あー、やっぱりかぁ」 「おばちゃんらどこから来たん?」 「平野からやー」 「あー、大阪か」 まだ土地勘のない僕より、確かに恭平のほうが話がわかるので、 やはり僕は木偶の坊と化してその場に佇むしかなかった 「いっつも安倍文殊院だけ時間足らんのやわー」 今日は金曜日。ゴールデンウィーク初日。 授業はもう通常の高校の一年の5分の3ほど進んでいて、一ヶ月休んでいた恭平の家庭教師を休日返上で見ていた。
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