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王女 1
私は、押されて暗い部屋に押し込まれた。
怒りを感じながら、前を歩いて行く。
暗闇が慣れた頃、1人の若い女性が見えた。
「あなたが、落ちてこられた方ですね?」
私は、頷く。するとあの男が、怒りを込めた口調で「無礼者。王女様であるぞ。身をわきまえろ!」
と叫んだ。
「やめなさい!」
王女は、背の高い男を黙らせた。
正直スカッとした。
「あなたは、ダストボックスを他人に渡しましたね?それはあなたにとってとても不利でしように。」
たしかに不利なのだが、自分の好きな人が落ちて行くのを見て、平気な女性はいるだろうか?
「私は、彼に落ちてほしくなかった。だからダストボックスを彼に渡しました。」
王女は、優しく微笑んだ。
なんて美しいんだろう。
「愚かな奴のすることだ。自分が不利になるのがわかっているのに。」冷たい声。
「下がりなさい。ジェイク。」
ジェイクと呼ばれた男は、一礼をすると出て行った。
「無礼を許してください。あのジェイクも、悪い者ではないのですが、こんな状況ゆえ、気が立っているのです。」
私は、王女様に免じて許すことにした。
あの感じ悪いジェイクとかゆう男を。
「あなたは、なぜダストボックスが奪われるようになったかは知らないでしょう。」
そう。なぜダストボックスは奪われることになったのか。これは奪われることのない物なのだから。
「闇の王がダストボックスをコントロールしているのです。」
闇の王?
「闇の王は、ダストボックスがあらゆる悪の塊であることに目をつけ、それを動かせば、自分の自由に人を操れると考えたからです。たしかにダストボックスは人の悪い感情を捨てるためのボックスです
普通は、奪われることなど考えません。しかし闇の王は気づいてしまいました。そして、あらゆる人から、ダストボックスを奪うことにしたのです。」
ダストボックスを失うことは、悪に満ちてしまう。
ダストボックスがあるから、安心できるのだ。
それを奪ってしまうなんて。
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