いいかげん

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なんであのとき尚人は怒ってたんだろ? 私が聞いても、答えてくれなかったし。 「優~衣ちゃん♪どうした?そんな顔して」 あっ、梓さん。 私ったらいつの間に警察署に来てんだろ。 梓さんなら、尚人のこと知ってるかな? 「仕事が終わって、帰る所なの。ちょっとお茶してかない?」 あの日以来、すっかり仲良くなった岩村と優衣。 「あぁ~、それねー」 やっぱり… 二人がやって来たのはカフェ。 優衣が尚人の事を聞いたら、岩村は答えた。 「13年前の事があるのかもね」 「13年前?なんですか?」 「知りたい?」 知りたい知りたい!! 「尚ちゃんがまだ刑事なりたての頃、聞いた話しなんだけどね…」 話し始める岩村。 真剣に聞く優衣。 30分後…。 「そんな…悲しい事があったなんて」 「それが現実よ」 尚人の家族が爆発…テロで亡くなってたなんて知らなかった。 酷すぎる。 しかも、その犯人がまだ逃げてるなんて… 「妹さん!妹がいるって」 「妹?あぁ、真美ちゃんの事ね」 真美さんって言うんだ… 「彼の妹も、3年前に亡くなったけど」 !? 「彼の中では生き続けてるのかもね。可愛い妹さんだった から」 だから、あのときあんな事を… 聞けば、妹さんは事故で亡くなったらしい。 その時、運ばれた病院が梓さんが前働いてた病院らしい。 だから、梓さんは知ってるんだ。 「優衣ちゃんに当たったのも、本当の家族のように見えたから、そうなっちゃったのかもね」 本当の家族? 「ようは大切に想われてるって事よ」 ////。 「あぁー羨ましい!若いって良いわね」 「あのぅ、本当に私で良いんでしょうか?」 なんだか不安だな…。 「優衣ちゃんじゃなきゃダメでしょ?アイツは」 梓さん…。 「今までの事を思い出してごらんなさい?アイツがやってきたことを」 まぁ…その。 「優衣ちゃんの為だからこそ、できるのよーアイツは。優衣ちゃんの為なら、死んでも構いませんって感じ」 それはちょっと… 「優衣ちゃんも愛されてるのねー羨ましい」 愛されてる?私が? 「アイツ不器用だから、言葉で伝えるのが苦手なのよ。だから、あぁいう態度を取るのよ」 なんだ、そういう事だったのか。 「梓さんありがとうございます!!」 「そう?役にたった?」 「助かります!」 「また今度何かあったら、私が彼をもらっても良いけど?」 それは… 「嘘よ。冗談冗談」 なーんだ。びっくりした~。 梓さんって、時々油断できない事するからなー
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