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「最悪だ…この世の終わりだ…」
僕は部屋で呟いた。
もはや何も耳に入ってこず、賑やかな場面が刻々と移り変わってゆく。
それを見ているようで見ていない。否、見ているけれど、頭に入ってこないのだ。
「 …」
もはやこの呟きは声になっていたかも分からない。
そんなこと最早僕にとってどうでもいい。
「なんで…どうして…」
冷たいものが掌に当たった。
ああ、泣いているのだ、と思った。
泣いたのはいつぶりだろうか。
小学生以来かもしれない。
近所のお姉ちゃんに、男はめったに泣くもんじゃない、と言われて以来。
今回はその“めった”だ。許してくれるだろう。
…今頃彼女はどうしているだろうか。
そんなこともどうでもいい。
ただ今大事なのは、彼と、僕がいま悲しくて悲しくて仕方がないということだけだ。
「フィル…」
どうして君は死んだんだ。
今まで、誰よりも強くて、勇敢で、みんなから頼りにされていた君が。
「武史―!ご飯よー!!」
お姉ちゃんの声がドア越しに響いて、はっと我に返ると、エンディングはとっくに終わっていた。
フィル。
僕が一番好きだったアニメキャラの名前。
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