幼馴染との恋

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懐かしい声が聞こえる。 「・・・きろ・・・起きろ飯田。」 顔を上げるとそこには、中学生の時の担任である石塚先生がいた。 「テスト前なのにずいぶん余裕だな?」 「へ?」 「まだ寝ぼけてるようだな。廊下に立ってろ!」 周りにクスクスと笑われながら、俺は仕方なく廊下に出た。 本当に過去に戻って来たんだ。 ふいにポケットに手を突っ込むと、なにやら紙が入っていた。 『麻井です。 ここでやってもらいたいことは一つだけ。 今日は2016年2月14日、あなたは帰り道に幼馴染からチョコをもらい、告白されますね? でもあなたは告白されたことに驚き、逃げてしまった。 今回はそれに逃げず、気持ちに応えてもらいます。 では健闘を祈ります。』 そうか、あの日か。 幼馴染、日高 優。 子供の頃からずっと仲良くて、小学校、中学校を一緒に過ごした。 この日まで俺は優とはずっと友達でいると思っていたから、 まさか優が俺のことを好きだとは微塵にも思っていなかった。 だから驚いてどうしたらいいのか分からなかったので、何も言わずに逃げてしまった。 それからだ。優とは全く喋らなくなったのは。 高校も別々になり、疎遠のままだ。 今でもずっと後悔している。 ひとまず会いに行こうか。
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