第1章

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これから話すことはオレの実体験だ。 腹が減る。とにかく腹が減る。 ああ・・・もうダメだ・・・この世の終わりだ・・・オレにっとては・・・。 昨日はインスタントラーメン3杯、○○屋の牛丼2杯、 それにカレーライスを5杯。でも満たされない。腹が減ってしょうがない。 かといって、太るわけでもない。体重は3ヶ月前と少しも変わってない。 オレは病院にいった。それも3つもだ。医者の話によると、なんら異常はないという。 過食症でも、体重の増加など、何かの異変があるという。でも、体型、体重ともなんら変化はないのだ。 オレの空腹は、飢餓に近い感覚だ。バイトでコンビニに勤めているんだが、 店内の食料品を見ているだけで、涎が出てくる。この間も客に、おでんをよそってる時に涎が出ていて、 店長に怒られたばかりだ。 店長は、オレのことを心配してくれた。それで余りものの弁当を、5個くれた。 その5個の弁当をその晩に食ってしまった。それでも腹が減る・・・。 オレは金魚を2匹、小さな水槽で飼っているのだが、こいつらを見ていつも思う。 こいつらはなにをしなくても、好きなだけ餌をもらえる。好きなだけ食える。 オレは金魚をながめながら、心底うらやましいと思った。 オレは客の少ない、夜の時間帯にシフトしてもらった。午後10時から翌朝6時までの時間帯だ。 でも、それが良くなかった。商品棚にある、弁当、サラダ、菓子パンに納豆や酒のつまみまでを食い尽くした。 同じバイトの奴が制止したが、オレの食欲は止められなかった。 結局、オレはコンビニのバイトをクビになった。 数ヵ月後、収入が無いので電気も止められた。次はガスが止められた。 火が使えないので、オレは買いだめしていたインスタントラーメンを、スープの粉をかけながら、 生のままかじった。それもすぐに、底をついた。空腹が収まらない。腹が減ってしょうがない。 かといって、体重は変わらない。当然、体型もだ。オレはいったいどうしちまったんだ。 オレは仕事を探した。やっと深夜の配送会社の倉庫整理の仕事に就いた。 だが、もらった安月給のほとんどは食費に消えた。家賃や光熱費まで食費にまわした。 でも、食っても食っても空腹はおさまらない。もう食料を買う金も無い。 猛烈な空腹を抑えるために、水道の蛇口に口をつけ、がむしゃらに水を飲む。腹がダブダブになるまで。
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