214人が本棚に入れています
本棚に追加
私、めちゃめちゃ感じ悪いじゃない!
穴があったら入りたいって、この事だ。
自分の恥を振り切るように、ひたすら駅まで走ったので、改札を通る頃には、かなり息が上がっていた。
次の電車までは25分。
息を整えようと、私はベンチに座って、ひたすら深呼吸した。
よりによって、何であんな恥ずかしいところばっかり見られるのよー。
ほんっと、私のマヌケ!
歌うことは好き。
だけど、人に聞かれることを意識した時と、一人で歌っている時では、全然違う。
特にさっき歌っていたのは、この前録画で見たミュージカルの歌の耳コピー。
ちゃんと歌詞も知らないし、適当につなぎ合わせて歌っていたから、音程も怪しい。
『Memory』
猫たちが集うステージで、一匹の娼婦の猫が歌い上げる、切ないメロディーの曲。
最初のコメントを投稿しよう!