女の友情

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キュ…キュ… まだ冬の寒さが残る曇りガラスに“彼”の名前を書く。 欠けた月から成り立ったその字…自分の中に欠けたものを埋めてくれる気がした。 今は別の、太陽のような“彼”を思い出す。 高階は窓ガラスにかいた血で曇った字を見つめた。 「リー、片付けて。」 姜は床に転がるソレを一別した 「畏まりました林杏様…いえ日本では杏璃様でしたね」 「そうね、ここは日本だもの雨も降ってきたし、早く帰りましょう」 高階の顔が、青白く暗い部屋に浮かんでいた。
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