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なにもかも望まぬことだ。
此処に来るのも、父に殴られ、門弟たちに引きずられるような形で連れてこられた。
膝の上の拳を強く握る。
園枝が背中を軽く小突いてきた。
「およしなさい。」
くっきりとしていて、釣った目鼻立ちの母に睨まれる。
「…」
「全く…」
軍礎が茶を1口飲み、明(あきら)を睨んだ。
明(あきら)は軽く睨み返した。
軍礎はニヤリと口元を緩めた。
「明(あきら)…か、いい名ネ。
遥か昔栄えた大明帝国の国名と同じ字だ。」
「…そうでしょうか」
「うん。うちの婿に、トテモ相応しい」
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