第1章

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 降ってきた雪を目で追い、高台の階段に座っている彼女と視線が重なった。  普段と違う私服姿。街灯のオレンジ色の光が彼女を淡く照らす。 「可愛いな」  思わず呟いた言葉が、彼女の目を丸くさせる。頬は薄く染まり、体を少しうずめる仕草が愛らしくて、胸が高鳴る。 「に、2度目だな、雪降るの」  慌ててぎこちないピースサインを見せると、小さくうなずき微笑んだ。ほっとし、彼女の隣に座って、高台から地上を見下ろす。  3つのイベント会場と無数の町の光が、冬の大三角形と天の川みたいに輝いている。  ふっ、と耳に触れた優しい息に驚き、彼女の方へ振り向いた。  頬を少し膨らませ、拗ねたような顔で、ハート型のプレゼントを胸元に掲げている。  夜景は後回しだったなぁ、と困った顔をしていたら、くすくすと笑われた。 「来年も一緒に見ようね」  差し出されたハートを両手で受け取め、そのまま彼女を引き寄せ唇を重ねた。  
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