透明ゆえに、誰も気づかず。

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 ――――――――  ――――  ある科学者は、自分の作った「薬」を決して飲むことはなかった。  勿論。  その薬の開発を依頼した人間達も。 「我々の目に彼らの惨たらしい姿を映すことなく、増えすぎた人間の数を調整する事に成功した。彼らが残した資産もまた、国の資産になる。まさに一石二鳥だ」  その呟きは、空気に溶けて消え去った。
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