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「ねえねえお二人さん!」
「ん?」
私達のところに大柄と小柄の男達がやってきた。首からヒモでぶら下げているダンボールにはでかでかと「縫衣研究部」とこれ見よがしに書かれていた。
まったく恥ずかしくないのだろうか。
「新入生?」
チャラチャラと腰に着けたキーホルダーを鳴らし、大柄な男が顔を近づける。
「えぇ。まあ」
大柄のせいかグイッと迫った顔はなんともいえない強烈なものがある。そして、この臭いもまた独特なものがある。
(うわ、なんだろう。この鼻に来る臭い…)
大柄の男が私に迫る代わりに、小柄の男が九凸に迫った。
できれば、迫る人を逆にして欲しかった。
「僕達、縫衣研究部なんだけど」
「みれば分かります」
九凸は関わるのがめんどくさいのだろう。気持ちいいくらいにばっさり会話を切ろうとする。
「えと、あの」
すると、小柄の人も何をいったらいいのか困っていた。まったく興味のない素振りの男への対処は難しい。すると、大柄の男が助け舟を出しにそっちにいく。
私は強烈なものが消えてほっとした。
(さあ、あとは九凸頼んだわよ)
なんて目で訴える。
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