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――ああ、成程ね、そういうことか!
この針金巨乳女の頗る人を不快にさせるその笑顔の理由に大体の察しがついた。
「はあ、つまりが在学中は俺に『女装』をしろと、『世界一のスーパー美人女子生徒』を演じて四年間を過ごせってことですか? ああ、頗る面倒くさいですね、いくら俺が超美形と云えども女装となれば朝は少し早く起きて準備しないといけないですし……」
「ホッホーウ、これは、これはぁ……何だか少し想定外の反応だねぇ、キミは『女装』に対してあまり抵抗がないのかねぇ?」
学園長の顔が少し驚いた表情に変わる。
ああ、おそらくは俺が『女装』に対して何らかの困惑や嫌悪感などを示すと期待して楽しんでいたのであろう。
性悪な女だな、殺したくなる。
「はい、『咎人(とがびと)』の処刑には時に変装を施しての潜入や暗殺の技術も必要になりますし……その辺りは一通り祖母から学びました。あと、それに……」
「フムゥーン、あと、それにぃ……?」
「まあ、ご覧の通りですが……ほら、客観的に見ても俺って美形ですので――女装姿が『美人』過ぎて目立ってしまう事はあっても『男』であると露見することはないと思います」
――そう、こうして俺の『完璧な女子学園生活(パーフェクト・スクールガール・ライフ)』が始まることになったのだ。
―― 受難/了 ――
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