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日本国・国際死刑執行人(マイスター)養成女学園。その歴史はまだ浅い。確か開校してまだ十年と経っていないはずだ。
花の都、京都。そこから西へ、愛宕山を超えた先にある陸の孤島。
現在は日本国の特別行政特区に指定されているここ南丹市に、次世代の死刑執行人を育成する為の国際教育機関(インターナショナルスクール)の日本校が存在していた。
ああ、その前に無知なる者たちに『死刑執行人(マイスター)』とは一体何たるかを改めてこの美形が説明しておこう。読んで字の如く『死刑執行人(マイスター)』とは死刑を執行する者たちである。
その歴史は古く此処、日本国においては江戸時代より俺の祖『山田浅右衛門(ヤマダアサエモン)』がそのお役目を代々として継いできた。
国の命により『咎人(とがびと)』と呼ばれる世に害を成す外道共の首を斬る。一般的な犯罪者を逮捕、検挙する場合には警察や機動隊。海外では国際警察(ICPO)や米国(メリケン)などでは連邦捜査局(FBI)や諜報機関(CIA)などがその職務に当たるが、俺たちはそのいずれにも属することなく秘密裏に『咎人(とがびと)』を捕縛、抹殺するのだ。
国がそれぞれの警察機構を動かすとなるといずれは国民に広く知れ渡ることになる。『死刑執行人(マイスター)』とは国民にその事実を隠匿したまま凶悪な『咎人(とがびと)』を人知れずこの世界から抹消する存在。
ああ、つまりが――国が公にしたくない。
又は、何らかの理由で公にはできない。
そんな忌避された者共らを粛々と闇へと葬る暗殺業……
そう、この世界の最も深淵に近い位置で活動をする人鬼(にんげん)たちの集まりである。
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