災い転じて

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今日はバレンタイン。 告白するつもりで、近所の公園にヨウタを呼び出した。 遅れたくなくて、三時間も前から彼を待っている。 「ユキナ」 「きれ、くれらんら…ヨーダ」 最初から最後まで噛んだ。 「怪獣か」 来てくれたんだ、ヨウタ、って言ったつもりだったのに。 「ちがっ…はろれが、あわにゃい…」 「歯の根が合わない?歯ぁカチカチしてるぞ。全身ガクブルだし。いつからいるんだよ?」 「しゃんじかん、みゃえ……」 「三時間前!?コートなしの、マフラーだけで!?」 だってテンパりすぎてて、気づいたらこの格好だったんだもん。 うぅ、もう色々とダメだ。 「しょうがねえな、俺の貸してやる」 泣きそうになっていると、ヨウタが自分のコートをかけてくれた。 そして、私から箱を取り上げる。 「でも、こっちは貰っとく。良いよな?俺に渡すチョコなんだから」 あれ、なんか。 上手く行ったっぽい?
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