プロローグ

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そんな体の状態なので、 結婚して一年過ぎて、 やはり、 恥ずかしながらも、先生に相談しに行ったわけです。 『結婚して一年経ったので、子供がそろそろ欲しくなりました。避妊薬ではなく、排卵誘発剤に切り替えたいのですが…。』 相手が女性の先生でホントにまだマシでした。これを申告するのやっぱり恥ずかしいです。 赤ちゃんはコウノトリが運んでくるとか、キャベツ畑に転がってたとか、偶然とか、奇跡とか…。そんな受動的な話ではなく、自己申告で自ら作り出す能動的なものだったんだと悟りました。 そんなこんなで処方してもらった排卵誘発剤ですが… ……あれ? 1ヶ月経っても生理にならず、基礎体温もぐらぐら。 2ヵ月目も同じ状況でした。 処方していただいた薬では効き目がなかったようです。 以前は排卵がうまくいっていたのに…。 先生によると、これより更に効き目の強い種類の薬もあるけれど、それを使う場合、一気に複数の卵子が排卵される可能性があり、多胎の危険性があるとのこと。つまり三つ子、四つ子、五つ子、なんてのが出来てしまう恐れがあると。 あらら、ではどうしたらよいのか。 先生の後輩がいるという、今通っているところよりも不妊治療に特化してるクリニックに紹介状を書いていただきました。 なんでも、卵巣に穴を開けて卵子を排出させる手術があるのだとか。
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