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暑いな、って思った。
いつものように部下の谷下と社食に来たらクーラーが壊れていたみたいで、多くの人でごった返しているここはとても暑かった。
「は~~暑いっすね。宮さん大丈夫ですか?」
「大丈夫、じゃない」
「ですよね、宮さんって暑さに弱そう」
谷下は俺のことを宮さんと呼ぶが、俺の名前は雪宮弘人(ゆきみや ひろと)だ。
「あげる」
食べかけのカレーうどんを谷下の前に押しやる
「え。全然食べてない…
ほんとにもらっていいんですか?」
「ああ。もう食べれないから」
しばらくカレーうどんを食べる谷下を眺めていたら、谷下が突然ごふごふ言い出したから、水を取りに行くことにした。
両手に水の入ったコップを持って戻ろうとしたら、突然視界が暗くなってドンっと何かが肩にぶつかった。手の力が一瞬緩んでコップを離してしまった。
つめたっ、と思って状況を確認してみると、上半身に水がかかって白いカッターシャツが濡れていた。
「まじか」
他人には被害がなかったようでよかった。
しかし、憂鬱すぎる。なんて日だ。
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