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ーーまた、渡せなかった。 微かに聞こえたその声を辿る。 行き着いた場所には小さな女の子。 「君の後悔はなんだい?」 振り返った少女は頬を赤らめている。 その小さな胸にハート型の箱を抱いていた。 「これを渡すの。でも、誰に渡すのか忘れちゃった。」 「君に2時間だけあげる。その2時間だけは元に戻るんだ。君の記憶も・・・身体も。」 霞ゆく少女の身体が徐々にハッキリと見え出す。 「・・・!ゆう、ちゃん・・・。」 「2時間経てばまた霞んでいく。消える瞬間は決して見られちゃいけないよ。」 頷いた少女は小さな一歩を踏み出した。
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