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その 小雨の深夜、
私達は 引き寄せ合うように 出会った。
夏の終わりの夜の国道、高速に上がれば1時間かからないのに 帰りを急ぐ訳でもなく。
標識と信号さえ見落とさなければ 無事に家には着くだろう、のんびり煙草を吸いながら車を走らせる。
私はどうして ここにいるのか 明日はどこに流れるのか。
日々の明るい選択の積み重ねで ここに居る訳ではない事は 確か。
もう家では 家族はすっかり寝ている頃だろう、今は束縛も必要性もない 唯一の時間。
最近変えた携帯で 密かに はまっている事がある。
たまたま見たサイトのチャット、何の広告もない シンプルな ただのチャット。
時間が余ってるはずもない毎日の隙間に 見知らぬ誰かと とりとめのない会話をする。
そんな無責任で自由な 秘密の現実逃避をしながら 半分投げやりに生きていた。
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