と言う訳で書いた短編小説がこれだ!【短編小説・希望の光】

3/5
前へ
/15ページ
次へ
『そう。「この世」は目に見えるから「この世」。「あの世」は目に見えないから「あの世」。だったらその中間で見えたり見えなかったりするのが「その世」』 「何言ってんだ。頭大丈夫か?」 『大丈夫だよ。失礼だな』 「失礼なんは、そっちだろ。人が悩んでるのに、いきなり訳の分からん事言い始めて」 『あ、今「そっちだろ」って言ったな。ふむ。「そっち」「こっち」「あっち」…これも距離によって表現が違ってくる。まあ、「こっち」「あっち」「そっち」は距離というより方角を表すな』 「もう良いって。さっきから、あーでもない、こーでもないって変な事ばっか言って。何なんだ。一体」 『なるほど。「あーでもない、こーでもない」か。言い換えれば「あれでもない、これでもない」って事だな。 でも、「それでもない」って言葉はあんま使わんよな。「そーでもない」って言葉は有るけど、「あーでもない」や「こーでもない」とは、ちょいとニュアンスが違う。ついでに言うなら、「あーでもない、こーでもない」は、よく二つワンセットで使われるけど、「そーでもない」だけは、それだけ単独で使われる。 言わばソロ活動中だ。 …って!お前は音楽性の違いからバンドを抜けたギタリストかっ!』 「…テメー最悪だな」 『あれ?俺が「最悪」なら、さっき言ってた「この世の終わりくらい最悪な事」って何だ?「最悪」って言葉は「悪い事の最上級」、つまり「ワースト・ワン」だから「一つのみ」だろ。俺が「最悪」って事なら俺の存在が「この世の終わり」より「悪」って事か』 「違うって。『最悪』って言葉、よく使うだろーが。ただの表現だっての。いちいち説明するの、めんどくせー」 『そっかそっか。ところで、さっきお前が言ってた、「この世の終わりってくらい最悪な事」って一体、何だったんだい?』
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加