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第1章
「最悪だ…この世の終わりだ…」
彼は小さい箱庭の中でただ一人、呟く。
幸せな時間程過ぎるのが早いとはまさにこのこと。
最近幸せを掴めた彼であったが、掴んだ瞬間に
こんなことになってしまった。
「こんなことなら、幸せになんてなるんじゃなかった。」
ついついそんなことを考えてしまう。
彼には、ずっと好きだった人がいた。
やんちゃで、小柄で、ちいさくて、いつも公園を駆け回っているような少女だった。
いつも、遊具のうらや、木々の隙間から、彼女を見ていた。
そして、最近。念願叶って彼女を抱きしめた。
しかし欲求が収まらずキスまでしてしまった。
そこから記憶がない。
気がついたら腕が動かず。前は格子状になっていて、横は普通の壁だが、どこを見ても灰色の箱の中だ。
「幼稚園に通ってる女の子を好きになって何がいけないんだ?」
彼はそうつぶやいて、寝に落ちた。
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