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3日目
早朝、ダグが目を覚ますと、アイラはシーツに埋もれるように眠っていた。
アイラは夜中に起きて、多分、ズボンを脱いでいた。それだけじゃなく、寝ながらも時々ゴソゴソしていた。寝苦しいのか寝相が悪いのかどっちかだろう。
ダグはそのたびに目が覚めた。
ゆっくり眠りたい。
後、8日間の我慢だ。
ダグはお腹が空いたので、迷ったが一応二人分のルームサービスを頼んだ。
それを食べると、ドアを開けたままシャワーをした。
普通なら物音で起きるはずだ。
だが、アイラは起きなかった。
ダグはまた小さくテレビを付けると、アイラが起きるのを待った。
アイラは珍しく10時に目を覚ました。
寝ころんだまま少し頭を上げると、ベッドに座って携帯ニュースのチェックをしていたダグに
「おはよう」
と、言った。
ダグは少しビックリして
「おはよう」
と返した。
挨拶してくれるなんて、ちょっとした進歩だ。
アイラの髪はくちゃくちゃで、少し乱れたシーツから、アイラの肌が見えた。
裸だ。
洋服がシーツにまぎれていた。
だから夜中にゴソゴソしていたのだ。
「お前、もしかしたらいつも裸で寝るのか?」
「うん…」
「裸は止めろ、夜中に何かあったらどうするんだ」
アイラは返事もしないで、シーツをまとうと洋服を持ってバスルームに行った。
「下着は手洗いしてドライヤーで乾かせ!いいな」
相変わらず返事は無かったが、言い返して来ないので分かってくれたと思った。
アイラが支度をしている間、結局ダグは朝食を二人分食べた。
ドレッサーに座るアイラに聞いた。
「今日の予定は?」
「ついてくればいいじゃん」
相変わらず無愛想だ。
「俺は犬じゃないぞ!」
ダグはむっとしながら言った。
アイラはそれ以上何も言わなかった。
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