現実か空想か

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気が付いたら‘此処’に居た ‘此処’は何処なのか全く見当も付かない。 むしろ付かなくて当然だと思う。 理由は単純だ。 見渡す限り真っ白なのだから。 光源すらないのに白く見える周囲。 そして壁と地面の区別が付かないほどに真っ白に塗りつぶされている。  「ここは何処なんだよ…。   少なくとも現実…じゃないよなぁ…。   拉致…もされた覚えもないしな。」 さて、これからどうするか そんな事を思いながら何もせずに立っていたら、いきなりソレは目の前に現れた。 最初は薄く光るだけのモノであったのが、暫くするとだんだんと人の形を取っていったのである。 ずっとソレを見守っているとだんだんと色が付き始めていったのである。 そして着ている服や顔、髪型など全てに色が付いたときにソレはこう言った。  「やあ。」  「よ、よう。」  「じゃなくて!。」 普通に挨拶されたから返してしまったじゃないか…  「何か、聞きたいことはあるのかい?。」 聞きたい事…  「此処は何処であんたは何者なんだ?。」  「そうだなぁ…   まず、第一に此処は何処でもなくて、何処でもある。   そして、未来でもあれば過去でもある。   言ってしまえば、そういう可能性を全て内包した世界と捉えて貰うのが一番近いかもしれないね。」 ………はぁ?  「いや、訳わからんし。   あんたは何を言っているんだよ。   それに何者ってのも言ってないしさ。」  「そういえばそうだったね。   そうだなぁ…世界を構築しているシステムの管理者とでも言えばいいのかな。」  「世界の管理者?」  「そう、管理者。   簡単に言えばシステムエンジニアだね。」 その管理者様が言うにはどうやら世界というものは地球で言うPCに似たものらしい。 そのシステムというのが俗にいう物理法則というものらしい。 チラッと聞いてみれば質量保存の法則とかそういうのも全てどこかで矛盾が起きないように一から組まれたらしい。 そして全ての世界はその法則を基準にして運営されているのだと言う。 で、何故俺がここに居るのかと言うと、単なる偶然らしい。 まず俺がここに来る前に地球のシステムに何者かの介入があり、大量のバグが生まれてしまった。
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