第3章 岡山城

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それを聞いたとき、真由美は苦い思い出が蘇って来た。一時期、真一のご両親と同居をしていた時があった。まだ若く安易に考えていた。今思えばそうだった。 仕事で疲れて帰ってきてゆっくりと1人の時間を満喫したい時にリビングにまだ義母がいた。 仕事のイライラを義母にそのままぶつけてしまった。義母は泣きながら寝室に入っていった。大変な事をしてしまった。そう思った。しかし、相手は自分より大人。こんな私も含めて愛してくれる。そんな甘ったれた根性だったと思う。それから義母と真一との関係が悪化した。結局、同居は解消し それからは少し離れたところで新たに住み始めた義母と義父とはギクシャクした関係が続いている。 これが自分の実の両親だったらと何度も思った。ワガママもいっぱい言いながら子育て出来ると思った。そういう意味で美香は羨ましい存在だった。
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