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話しを変えようと真由美は純平の話しをした。イケメンの話題なら美香も食いつくはずだった。
ひとしきり出会いから、岡山城で純平と話した内容をかいつまんで話した。
「へぇー。関東から岡山に来たんだ」
「そうみたい。どう思う?」
「まあ、奥さんからしたら助かるんじゃない。私みたいに実の両親に甘える事も出来るしね」
美香は肩をすぼめた。
「だけど、旦那さんからしたらどうかな。肩身が狭いと思うしやりにくいかもね。うちの旦那も私の両親には何も言えないから借りてきた猫みたいだしね」
「そうだよね」
私はともかく真一の事を考えると間違った選択じゃなかった。そう思えた。あとは私が覚悟を決めればいいのだ。
「真由美、そういえば高津先輩が今何してるか知ってる?」
美香が意地悪そうな目を向けた。
「ううん」
イケメンと言えば高島先輩だったから連想されたのだろうと思った。
「まだ独身なんだってよ。女遊びの噂は絶えないしさ。やっぱり性格悪かったんだよ。真由美、振られて正解だよ」
苦い思い出だった。
高津先輩からクリスマス前に連絡があり一緒に過ごせないか言われた。ドキドキして待ち合わせ場所に行くとすでに別の女性が待っていた。本命が予定が入ってしまったからその埋め合わせで声をかけた。急遽、本命が会えることになり真由美はドタキャンされた。
「そうなんだ。ザマーミロだね」
いい経験と思った。男を顔じゃなくて性格重視で選ぶようになった。そして真一がいた。私を決して裏切らない存在。それこそが結婚相手の条件だった。
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