第1章 帰郷

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岡山駅に着く直前、男性が荷物を抱えた。やはり、同じ目的地だった。真由美も席を立つ。よろけた。思いのほかお腹に重心がかかっている。前のめりになりそうな体をがっちりと太い腕が掴んだ。 「大丈夫ですか?」 隣の男性だった。真由美は顔が赤くなるのを感じた。そそくさと立ち上がり頭をさげる。 「荷物も持ちますよ」 いえ、大丈夫です。 と言う前にさっさと真由美のトランクを持ちホームに降りた。 続いてホームに降りた。 結局、駅の改札まで荷物を持ってもらうことになってしまった。「ありがとうございます」 小さく礼を言うと男性は軽く右手を挙げると人ごみに消えていった。 改札の先には母の姿があった。 大きく手を振っていて恥ずかしい。 「真由美、こっち。ゆっくりでいいけん。車まわしてあるが」 岡山弁はさらに恥ずかしい。もちろん母にはそんな感覚はない。 「恥ずかしいが、言わなくてもわかるし」 そそくさと空港の外の車の後部座席にのりこんだ。お腹がはるので少しでもゆったりとしたかった。 荷物は母が運んでくれた。
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