Side:仁志

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  「愛美んち、夜は母親いないだろ。よく電話するけど──寂しそうにしてると、来いよとか行こうかとか言いそうになるし」 「一応言っておきますけど、あの子、高校生ですからね」 「わかってるって。だから俺に女がいるって思わせて、おとなしくしててもらわないと困るんだよ。あいつに本気で甘えられたら……抑える自信ない」 「あなたみたいな人が、なんで教師になったんですか」  浅海さんは口を尖らせてから、やたらはっきり宣言した。 「俺だって、高校生のガキなんて興味ないよ。けど、捕まっちまったものはしょーがない!」  ……そうか、捕まったのか。  それなら仕方がない。 .
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