魔法師と魔族王

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「信じてくれないかなぁ。俺、お前の光が気に入ったから俺の物にしたいだけなんだけど。」  私は悩んだ。  どう考えても、今は、この男の申し出を受けた方がいいような気がする。大丈夫だと本能が言っている。 「あなたと契約したら、私を助けてくれるの?」 「ああ、ずっと、お前を待っていたからな。」  少し、考え込んでみて、私は、心を決めた。 「お願い、助けて!」  その声に応えた男が、身に着けていたマントをひと振りする。  すると、相手の妖魔は真っ二つになり消滅した。 「すごい・・・」  私は固まった。強い。強すぎる。  そんな男を見ながら、アルマロスはまだ、警戒を解いていなかった。 「アルマロス、戻って」 「しかし・・・」 「たぶん、大丈夫だと思うから。」  黒装束の男は降りて来た。  黒髪短髪切れ長の目。目の色は、緑。意外といい男だった。  「まってたぜ、シェイラ。」  私に近づいてきた。 「助けてくれてありがとう。・・・で、契約って、どうすればいいの。」 「そうあせるな。」 「俺は、妖魔というより魔族だ。妖魔より力があるのは当然だ。お前から出る光に惚れた。だから、誰にも渡さない。」  えっ、魔族の告白? 「俺と契約したら、危険な時は俺を呼んでくれたら助けてやる。あまり、手助けをするとお前の腕が上がらないからな。」  言いたい放題。そろそろ本題に入ろう。 「で、契約ってどうしたらいいの。」  そうしたら、私が立っている木にドンと片手を顔の横について(これが、カベドン?)私の顔に、顔を近づけて来た。 「な・・・なにするのよ」 「契約って言ったろう」 「えっ・・・えっ・・・」  私のファーストキスが、こんなにもあっけなく。 「あぁ~・・・最悪だぁ・・・この世の終わりだ・・・」  すると、彼は、何を勘違いしたのか 「そんなに、おれに守られるのが嬉しいか。そうか、そうか。」  私は泣きながら、彼に聞いた。 「あなた、今、なにか私の体にいれた?」
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