魔法師と魔族王

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「俺の心臓を1つ入れてやった。目印としてと、お前を自分の物にするためだ。」  えっ、私、心臓が2つあるの。すごい! 「俺は、お前を必ず守る。他に欲しがってきた奴には容赦なく攻撃する。」  男は、しみじみシェイラを見つめた。 「いったい、お前から出ている光はなんなんだろうな」  そう言いながら、シェイラの頭をぽんとたたいて微笑んだ。  私、その顔を見たらドキドキしてなにも言えなかった。 「じゃ、シェイラ、忘れるなよ。俺の名前はユズルだぞ。」 「うん。わかった。助けてくれてありがとう。」 「おまえは、俺のものだ。助けるのは当然だ。じゃあな。」  軽く手を挙げて、彼は空間に消えて行った。  私は、また、彼と逢えたらいいなと、2つになった心臓をそっと確認していた。
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