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烏ヶ國はどんどんと栄え、次第にヒトを脅かす存在となった。
そう、もともと知恵の高い烏は自分達を卑下にしたヒトへ復讐を始めたのだ。
畑を荒し、高価な石を家から運びだし、時にはヒトを襲う事もあった。
するとヒトはカラスを追い詰めるためにあらゆる手段を使った。
餌の中に毒物を入れたり、鷹を飼うようになったりネズミ取りを置いて餌さとなるネズミを根こそぎ取り上げた。
追い詰められたカラスは激減し、ヒトから距離を置くようになった。
しかし、ある日の夜…
町長は酷く恐ろしい夢をみた。
畑は荒れ、人々は餓え、雨も降らず枯渇したところへカラスがやってくる。
そのカラスはこう述べたのだ。
『私たちは神様の遣いだった。ヒトの面倒を見るように仰せつかったものの、ヒトのカラスに対する態度は傲慢であり許しがたいものだ。
いいか、生け贄を用意せよ。
さもなくばこの村は滅びるであろう。
生け贄だ…。いけにえを用意するのだ。』
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