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あまりにリアルな夢に村の人々を呼び集め、村長はその話をした。
しかし、たんなる夢だと軽くあしらわれ手を打つことなどしなかった。
カラスは激減しているのに、そんなことが起こるなど有り得ない……と。
それから数日後、朝起きると村の畑は全て荒れ果て見るも無惨な光景が広がっていた。
人々は必死に立て直そうと、総出で畑を耕し種を植え替えた。
しかし、今度は雨が降らず作物が育つどころか、人々が飲む水さえもなくなってしまった。
そして悪いことは続くもので疫病が流行り村のヒトは次々と倒れていった。
村人のほとんとが病に倒れた頃、町長はまた夢をみた。
以前とはうって代わり沢山のカラス達が村にやってきた。
中でも一番黒くて他のカラスよりも一回り大きいカラスが言う…
『生け贄を用意しないから村は滅びるのだ。
もう遅い。お前たちヒトをカラスは絶対に許さない。同じ思いを味わうがいい…』
と。
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