カラスのクニ

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『今日はここで雑魚寝するしかないな。』 小林さんがそう言うと奈津子さんが猛反発した。 『はぁ?嫌よ。寝込みでも襲われたらたまったもんじゃないわ!』 『ふっざけんな!誰があんたみたいなババア!どーせならこっちの女子高生にするわ!』 小林さんの失言で私たち高校生三人は固まった。 『や…ごめん、売り言葉に買い言葉で本気で襲うつもりなんかないんだけど。』 小林さんはポリポリと頭をかいた。 「そ…ですよね。それどころじゃないし。」 私は慌ててフォローを入れた。 すると亜紀ちゃんが、続けて口を開いた。 『食糧ないのも…どうしたら……。』 三崎さんが立ち上がると台所の蛇口を捻った。 ジャー… 『水は出るみたいね。しばらくは水で凌ぎましょ。 様子を見ながら、食糧調達に外へ出て探すしかないわ。』 三崎さんはそうは言うものの外へ出られる日など来るのだろうか…。
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