カラスのクニ

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『…誰が行くんだよ。』 小林さんが眉間にシワを寄せながら引き気味に言った。 『そ、それは…』 提案した青木さんはバツが悪そうに言葉を詰まらせる。 『何が出てくるか分かんない所で外に行くなんて危険よね。』 奈津子さんも取りに行くのは反対の様だ。 私が行けばいいのだろうか… だけど外に出た瞬間、またあの怪物が出てくるかもしれないと思うと… 『俺が行ってきます。』 そう自ら名乗り出たのは 「宏太さん…。」 真剣な表情で皆を見つめている。 『誰かがやらないといけないんだ。だったら俺がやります。こんなこと、高校生の女の子達にやらせるわけにはいかない。』 そう言って私たちをみた。 『ヒュウッー、カッコイイね。じゃ、頼むぜ。』 小林さんは冷やかす様にそう言うとゴロンと横になった。 『…悪いね、私じゃ何かあっても逃げ切れなそうだけど、君なら若いし逃げ切れるかもしれない。』 青木さんは申し訳なさそうに宏太さんに頭を下げた。
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