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『ちーちゃん!』
私が戻ると亜紀ちゃんは飛び付いてきた。
「どうしたの?」
『心配してたの…。あたしもやっぱり一緒に行けば良かったかもとか、もう帰って来ないんじゃないかとか、色々考えちゃって…。』
「やだなー、亜紀ちゃん置いて何処かへ行くはずないじゃん。」
私も亜紀ちゃんを抱き締め返す。
『どうだ?何かあったか?』
小林さんは座ったまま問い掛ける。
私が宏太さんを見ると‘うん’と頷いてくれた。
アーケードの事を皆に伝えなくては…
「実は、ここから少し下った所にアーケードがあったんです。私がそれを見つけて一目散に走り出すと、空から真っ黒い羽の生えた人が飛んできたんです。
それで…その人が言うには、‘そこは烏の國だから行ってはいけない。帰れなくなる。’って言うんです。」
私は皆が混乱しないよう、端的に話す。
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