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青木さんは自分の鞄からいらない書類を出してくれ、小林さんのライターで火を着ける。
それを集めた枝の中へソッとおき、フーッと息を掛ける。
パチッ…
パチパチッ…
『良かったぁ…。これなら暗くならなくて済みそう!』
亜紀ちゃんはホッと安堵の息を吐いた。
『少し太めの木も拾ってきたから入れましょうか。』
宏太さんは火が少しずつ大きくなったところで太めの木をいくつか囲炉裏に入れる。
すると奈津子さんが口を開く。
『火があるんだから、食材でもあればね…。ご飯でも作れるのに。あーあ、お腹空いたわね。』
私たちは何時頃ここへ来たのか分からないけれど、今日ここへ来てから何も口にしていない。
お腹が空くのも当然だ。
『そう言えば…』
宏太さんが何かを思い出したように口を開く。
『さっき、外へ行った時羽の生えた人に会ったって言いましたよね?』
『え?えぇ……。』
『後で食事を授けるって…言ってたよね?』
宏太さんに言われハッと思いだす。
「そう言えば…!後で持って行くって言ってた!」
それを言うと皆の表情が少しばかり明るくなった。
『マジかよ!やった!やっとありつける…。腹へってどーにかなりそうだったからな。』
小林さんは心底嬉しそうにした。
『もう少し、待ってみましょう。』
宏太さんの話でみんなは機嫌が少し良くなり、雑談をしながら食事を待った。
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