クローキング

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『…お言葉ですが、あなたに拒否権はございません。さぁこちらへ。』 そういって軽く羽をバサッと扇ぐと私の目の前へとやってきた。 「……っ!!!」 ビックリして目を瞑るとびっしりと黒い羽根の詰まった手で私を覆い、襖の奥へと連れ去った。 『ちーちゃんー…!!!』 『千波ちゃんー…!!!』 亜紀ちゃんや宏太さんの声が一瞬にして聞こえなくなり、どのくらいのスピードなのか分からないけれど物凄い風の音だけが私の全身を纏った。 風が強くて目も開けられない。 だけど… みんなからかなり離れて行くのだけは肌で感じ取った。
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