クローキング

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やっと風の音がおさまり視界が開ける。 …ーーー!! 目を開けるとそこには先ほどまでいた光景とは打って変わり綺麗な豪邸のような場所が広がっている。 「う…わぁー……」 思わず漏れる溜め息。 私は1歩ずつ1歩ずつ、辺りを見回すようにゆっくりと足を踏み入れる。 「ここは……一体…」 かなり高価と思われるソファや机、棚などがある。 しかし余計なものはなく、まとまり感のある室内。 そこで私は気づいた。 椅子に座った一人のひとが見える。 『さぁ、クロー様にご挨拶を。』 私をここまで連れてきたその人が背後から声を掛けてくる。 振り返るとその人の背中に羽根はなかった。 気になる事は沢山あるけれど、取り合えず促されるままソファに座るその人のところへ歩いて向かう。
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