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側まで行き、声を掛ける。
「あの…」
私の声に反応し、‘クロー’と呼ばれるその人は立ち上がり振り向いた。
「……っ!!」
その人の妖艶な容姿に思わず息を飲んだ。
『あぁ、君。待っていたよ、千波。
ようこそ我が王國、カラスガコクへ。』
そう言って白くて透けてしまいそうな綺麗な手を差し出した。
「あっ…こんにちは……。」
『くすっ…。そんなにかしこまらないでいいから。君はこの國のクイーンになるヒトだ。
さぁこちらへ。』
クイー…ン?
意味が分からず戸惑いを隠せない。
『取り合えずお腹が空いたでしょう?アガタ、食事の用意を。』
『かしこまりました。』
先ほど私をここまで連れてきたヒトはどうやら‘アガタ’という名の様だ。
アガタは一礼をすると部屋から出ていく。
『千波、こちらへ。』
取り合えずここに烏人間のようなバケモノはいないので一安心し、クローに促されるままソファへと座った。
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