クローキング

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「ひっ…っ!!」 人間とはおぼしきモノへと変化しつつあるクローに恐怖を抱いた。 私はまたも腰を抜かしその場へペタンと座り込んでしまった。 『…………すまない、千波。君を驚かせるつもりはなかったんだ。』 そう言って人間とはおぼしきモノへと変化しつつあったクローは一瞬にして先程の綺麗な肌のヒトへと戻っていた。 『大丈夫、そんな顔をしないで。私は君に一生添い遂げると心に決めたんだ。だから…』 そう言って座り込む私の頬にソッと手を添えてきた。 「きゃっ…やめ……っ」 腰を抜かして動けない私は目をギュッと瞑り首を竦める。 それでもクローはその手を引っ込める事なく私の頬を包み込む様に触った。 そして私に意味の分からない言葉を放った。 『千波、私と結婚しよう。』
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