クローキング

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な……に……? なんなの……? さっきまでの皆と様子が違いすぎる。 『まぁ…皆さん落ち着いて…。千波ちゃんが悪いわけじゃないんだから。』 宏太さんは間に立ち仲裁に入ってくれた。 『揉めても仕方ないんだから、この食事をわけあいましょう。』 そう言って宏太さんはトレーを部屋の真ん中へ持ってシルバーの蓋を開ける。 『うっ…!!!』 『うわぁあぁぁあ!!!』 『きゃあぁぁああぁ!!!!』 皆がその中身を見て騒ぎ出す。 「えっ…なに…」 みんなの慌てっぷりに動揺しながらもトレーのなかを覗くとそこには信じられないものが並んでいた。 「うっ……!!!」 私は両手で口を押さえ、急いでそこから離れる。 「何…それ……」 そこにはウジャウジャと動く少し太めの白い物体がいくつも重なりあって絡み合っている。 『っんだよ!!!こんなん食いもんでも何でもねーだろーがっ!!!』 小林さんが近くにあった銀のトレーの蓋を投げつけた。 ガッシャーン!!! 『きゃあぁぁああぁ!!!!』 それは見事にトレーに命中し中の動く物体は絡みがほどけ、それぞれに畳の上を這い出した。
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