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『ここから出てはならぬ。』
その言葉に私は背筋がゾクリとした。
私も亜紀ちゃんも鞄を見えないところでガッシリ掴んでいるだけで、まだ立ち上がってもいないのにどうして…
そして心臓が飛び出してしまいそうなほどドクンドクンと波打った。
ほんの少しだけ浮いていたお尻を下ろし、鞄を掴んでいない方の手で亜紀ちゃんとしっかり握りあった。
すると襖がスッと開いた。
ゆっくりだったのか定かではないが私にはソレがスローモーションの様に写し出された。
『う…うわぁああぁぁ!!!!』
『きゃあああぁぁあぁあ!!!!!』
皆は大声を出して後退りした。
私は…
『ちーちゃん!』
余りの恐怖に足が動かずその場に佇む。
いや、これが俗に言う腰が抜けてしまうと言う事なのか…
何故なら、そこにいたのはスーツを着た真っ黒な鳥が立ちはだかり、身長2メートル位の高さから私を見下ろしていたからだ。
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