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「ほら、顔を上げて見ろ」
「ンッ……アア!」
喉元を引き上げる凪の手に逆らえず。
僕は窓辺で犯される己の姿を見続ける。
ふと――。
「ゥッ……ンン!」
雨に混ざって
黒い影が窓の向こうに現れた。
「アッ……アアッ!」
それは幻ではない。
「ねえ、やめて……!」
「何だよ?」
見えないのか――?
興ざめな僕の言葉を飲み込ませるように。
凪は僕の口に指を突っ込んで
後ろからもっと攻めたてた。
「お願い……ダメ……やめて……!!」
僕は狂ったように叫び暴れた。
だって窓の向こう。
すぐそこに――。
ずぶ濡れの征司が立って
犯される僕を見下ろしていた。
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