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「繊細で壊れやすい――間違いじゃないだろう?」
「アンッ……」
大胆にガウンの下に手を滑り込ませてきたと思ったら。
「まだこんな薬飲んでるのか?」
「返してよ」
凪は隠していた安定剤のボトルを探し当てた。
「ダメだって言ったろ?」
「大丈夫。用量は守ってるし、次の診察で医者に相談するつもり」
「本当に?」
出会ったその日に
たくさん嘘をつくと言ったのに。
「お願い。このことあなたしか知らないんだ。ねえ」
ボトルを取り上げた手に
僕は甘えて指先を重ねる。
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