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「間違いないよ」
ソファーの背もたれにかけてあった
ローブに袖を通すと。
「じゃあまた亡霊だ!」
僕はなんとか平静を装い笑った。
「亡霊?」
「そう。未練を残して僕の周りをうろうろしてる」
「よせよ。アクセルを踏む足もちゃんとあった」
そりゃそうさ。
突然そんなこと言われても
「ねえ大丈夫?」
椎名涼介じゃなくても取り合わない。
「大丈夫だよ」
僕はその場で天井を仰いで
だらりソファーに横になる。
「悪いものに取り憑かれてるだけ」
なんせ男色のそれも兄弟間の三角関係で
神の住家を燃やした――その罰さ。
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