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「分かったぞ。満を追いやったのは新入りの彼とよろしくやるため。そうだろう?」
一目凪の姿を見た途端
ピンときたんだ。
「まさか」
「いいや。なんて奴だ」
椎名さんは声をひそめ
スキモノの僕に耳打ちした。
「新鮮な朝露みたいな顔した男を、君が放っておくはずないだろ?」
詮索好きの錬金術師め。
「とにかく今、あなたに出来ることは――」
僕は仕方なくソファーから飛び起きて
「次にかくれんぼに夢中のお兄様を見かけたら、首に縄をかけて僕のところ」
帰路へと誘うように
椎名さんの背中を押した。
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